伊達市で、伊達稙宗(政宗の曾祖父)と分国法「塵芥集」をテーマとした講演会と討論が行われました。



講師は、5月に高志書院から『戦国法の読み方ー伊達稙宗と塵芥集の世界』を上梓された、桜井英治さん(東京大)と清水克行さん(明治大)です。
桜井さんは大学の先輩、清水さんとも長い知り合いですが、今の日本中世史研究を刺激に満ちた面白いものにしているお二人です。
わたしは講演のあとの討論のコーディネーターを仰せつかったのですが、後述するように、これがなかなか大変な役割でした…(笑)。

突然の総選挙の影響をもろに受け、当初予定されていた公民館が選挙の投票所になったため、小学校の講堂に会場を変更して行われました。
それにしても、2年前に建て直されたという新校舎、きれいなのは当然ながら、今どきの小学校はおしゃれで素晴らしいです。





簡単な流れを打ち合わせたのち、昼食をいただき、開始を待ちます。

ゼミ生たちが7名来てくれたので、伊達氏関連の遺跡と遺物の展示解説をお願いしました。



いよいよ本番です。
突然の会場変更などで観客の入りが心配されましたが、用意した座席を追加しても足りないほどの盛況ぶりでした。
伊達市学芸員の山田将之さんが稙宗と「塵芥集」の基本情報を解説されたのち、清水さん、桜井さんの順に講演がありました。

さすがは清水さんと桜井さん、学術的にもかなり難解なはずの内容を非常にわかりやすく話してくださいました。
あの話し上手は簡単には真似できませんが、少しは見習わないといけませんね…(^^;;

お二人のお話しがわかりやすく面白かったためか、ほとんどの方が討論になっても残って、熱心に耳を傾けてくださったのが印象的でした。

講演のあとの討論会では、コーディネーターとして難しい話を市民向けに解説しなおしてもらうつもりでしたが、全くその必要がありませんでした。
うーん、どうしよう…ということで、山田さんには梁川城の研究成果をご披露いただき、お二人には話を伺っていて、自分が聞きたかったことを質問してしまいました。観客の皆様、申し訳ありませんでした…m(_ _)m

後半は前代未聞の展開に(笑)。
先の『戦国法の読み方』は、お二人の対談形式で、歴史家が史料を解釈して歴史像を作り上げていく手法を公開するという、きわめて面白い試みの本ですが、これを聴衆の前でぶっつけ本番でやってしまおうというのです。
わかりやすく言えば、大学院のゼミを何百人もの聴衆を前にやるようなものでしょうか。
さすが発想力が違うな…と感心してばかりもいられません。コーディネーターも打ち合わせなしのぶっつけ本番なので、困ったものです(笑)。

結果として意図は大当たりのようでした。
お二人の史料解釈が披露されると、フロアのいろいろなところから、ああでもない、こうでもないという声が自然と聞こえてきました。
きっと史料を解釈して歴史像を創り出す歴史学の醍醐味を感じていただけたことでしょう。

結局、私はコーディネーターとしての仕事は何もできませんでしたが、伊達市にとっての稙宗、「塵芥集」、そして梁川城を市民の皆さんにしっかりと伝え、歴史学の面白さを感じていただくことができたという意味で、企画自体は大成功だったと思います。
個人的には、20年以上前の大学院のゼミを彷彿とさせてくれる、懐かしい感覚を思い起こしたひとときでもありました。

学生たちにもめったにない貴重な機会となったはずです。
このような講演会を企画し、関わらせてくださった関係者の皆様、桜井さん、清水さんに、この場を借りて感謝申し上げます。






最後に、話変わってTV情報です。
12月15日(月) 18:15~ KFB福島放送「スーパーJチャンネルふくしま」にて、被災文化財保全活動の様子が放送されます。
11月11日の富岡町役場での資料整理の様子が流れるかもしれません。
福島県内の方にはご覧いただけましたら幸いです。
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