県教委と町関係者による文化財保全活動の事前調査に同行させていただき、初めて浪江町を訪れました。

すでにご承知のように、旧警戒区域では双葉町・大熊町・富岡町の博物館資料が、文化庁の被災ミュージアム再興事業によってレスキューされました(詳細は拙編著『ふくしま再生と歴史・文化遺産』をご一読ください)。
しかし、浪江町は博物館施設がなかったために、町内の歴史・文化遺産の保全が立ち遅れています。
今回、地元関係者の熱意と努力により、ようやくその第一歩を踏み出すことになりました。

浪江町役場の二本松事務所で合流し、川俣町山木屋地区、浪江町津島地区を経由して市街地に向かいました。
山木屋付近は道沿いでずっと除染作業が行われていました。
浪江町との境に来ると、帰還困難区域に入るため、通行許可の確認がきっちり行われます。ちょっと緊張します。





富岡街道をひたすら進み、出口で再び通行許可の確認をとって、浪江町役場の庁舎に着きました。







セキュリティの問題がありますので、調査先については写真も含め、掲載を差し控えますが、地元の方々が危機感をもって文化財保全に動き始めてくださったのはたいへん心強いです。

午前中の事前調査ののち、昼食は役場庁舎内で取らせていただきました。





午後は、集団高台移転の候補地とそれにともなう道路整備にかかる土地に、縄文~中世のさまざまな遺跡があるということで、現地を案内していただきました。





さらに、甚大な津波被害のあった請戸地区を案内いただきました。





荒涼とした枯れ野原のあちらこちらに、津波で流された車や船が未だ撤去されずに残っていました。







震災から3年半以上も経つというのに、時が全く止まったままの光景を前にして、呆然と見つめるだけの自分がいました。

文化財収蔵庫を見学して、今日の事前調査は終了しました。
浪江町ともここで一旦お別れです。



浪江町で今後どんな文化財レスキューができるのか、まだまだ未知数なところがあります。
私自身、どんなお手伝いができるか、正直わかりません。

それでもやはり、歴史・文化遺産を護りたいという地元住民の熱い思いに、我々関係者は応えていけるよう、できるだけ協力していかなければならないという思いを強くしました。

いずれまた機会があれば、当ブログでもご紹介できればと思います。
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