2月のシンポジウムの報告集が、長い道のりを経てようやく本になりました。
無理を言って、一足先に送っていただきました。

ふくしま再生と歴史・文化遺産1

ふくしま再生と歴史・文化遺産2

テープ起こしの原稿の段階から一緒に本づくりに取り組んでいただき、私が漠然とイメージしていたものをはるかに超えたすてきな装丁に仕上げてくださり、しかも心に訴えかける名キャッチコピーを帯に付けて下さった、㈱山川出版社の編集担当者に心より感謝申し上げます。
「東日本大震災後の地域社会を歴史と文化が護る」なんて、かっこよすぎです(笑)。
手に取った瞬間、感動で体が震えてしまいました。
大げさに聞こえるかも知れませんが、本当の話です。

そして何より、充実した中身をできるだけ多くの方々にお読みいただきたいと思います。
五味先生のご講演は、いつもながらの五味史学の魅力を堪能できるとともに、常に大胆な問題提起と斬新な研究手法によって日本中世史学界を牽引してこられた先生ならではの含蓄ある言葉に満ちあふれています。

丹野さんのご論文を読めば、これまではなかなか伝わってこなかった、震災後の福島の文化財等が置かれている状況が手に取るようにわかるはずです。
吉野さん、三瓶さん、中野さんが吐露された数々の思いは、歴史・文化財関係者だけにとどまらず、全国の方々にもしっかり受け止めていただければと思います。

一方、深刻な状況の中から、少しずつでも前向きかつ豊かな可能性を秘めた歴史・文化遺産の保全活動の動きが生まれつつあります。
地域住民の皆さんととともに取りくむ本間さん、内山さんのお話は、たくさんのヒントを与えてくれるはずです。
泉田さんは茨城から、地元双葉町の歴史と文化に寄せる熱い思いの込もった文章を寄せてくれました。
彼のような若い世代が着実に育ちつつあることは、歴史資料保全活動に取り組む私たちに勇気と希望を与えてくれます。
今ではすっかり頼れる存在となった福大の学生たちもそうですが、若い世代はいつも元気で笑顔を忘れず、ともすれば深刻で暗くなりがちな場を和ませてくれる存在です。
ついでに拙文もちらっと読んでいただけたら、「福大もがんばってるね」って思ってもらえるかも知れません。

そして願わくば、菊地さんの提唱する国立の博物館施設、これは双葉町・大熊町・富岡町のお三方も同様に望んでいることであり、その実現に向けて全国の多くの方々からの賛同と支援が得られるよう、この本を通じて訴えていく努力をしなければなりません。

一般の書店に並ぶまでには、もう少し時間がかかりそうです。
11月9・10日の史学会大会に間に合うよう作っていただきましたので、もし大会に参加される方がいれば、ぜひお手に取ってご覧ください。
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