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今日は、ここに行ってきました。
ショボーンもラスカルもいろんな恰好をさせられて忙しいですね…(笑)。

会津(・ω・)

会津ラスカル

もちろん、観光ではありません。
会津地方の山間部の集落にある築100年ほどの家屋が解体されることになったのですが、相談を受けた空き家古民家相談センターで訪問した際にまとまった量の軸物があったということで情報を寄せていただき、調査に赴きました。

20130910会津②

今回は福島県立博物館の学芸員の方々に同行していただき、地元の教育委員会や町史編さん室の方にも来ていただいて、所蔵者の立会いのもとに調査をさせていただきました。

家屋には立派な柱や素敵な欄間が残されており、解体されるのが惜しまれます。

20130910会津⑥

20130910会津③

軸物の中には三十三観音信仰に関わるものがあり、県博で調査されることになりました。

20130910会津①

20120910会津⑦

20130910会津⑧

出征時に地元の青年団から贈られた祝旗もありました。

20120910会津⑨

蔵の中にあった民具類の一部、地域や家にかかわる資料については、地元や県博・福大でお預かりし、古写真や日記、卒業写真など個人の思い出にまつわるものはまとめて所蔵者にお渡ししました。

20130910会津④

20130910会津⑤

調査終了後に、ご当主のお話をいろいろ聞かせていただきました。
かつては養蚕、タバコ栽培をされていたそうです(そういえば、タバコ葉の盗難届!なんていう資料もありました)。
萱葺屋根だった頃は、地区ごとにお金を出し合い、集めたお金をもとに葺き替えをしていたという話もありました。

そうしたかつての生活習慣、風習、文化も、集落の衰退とともに次第に失われていきます。
今日うかがったこの集落も、世帯数はかつての半分ほどになり、高齢化もだいぶ進んでいるようです。
家の解体時に「古くて汚いものだから」とよくわからないまま、資料をすべて処分してしまったお宅もあったそうです。
家や地域の歴史を語るものすべてを残し、後世に伝えることは不可能ですが、できるものなら少しでも記録として残しておきたい。
そのためには、散逸・消滅する前に少しでも残せるよう呼びかけ、理解を求めていくための努力や工夫も必要です。
ご当主に「祖先が喜んでくれていると思います」と言っていただけたことで、少しは何かのお役に立てたのかなと思います。

お付き合いいただいた関係者の皆様、おつかれさまでした。
またの機会によろしくお願い致します。
【9月17日 追記】

このブログをお読みになられた所蔵者の方から、ご連絡をいただきました。
(以下、一部を引用させていただきます)

茅葺屋根のふき替えは、集落内の個々の家で毎年萱を刈取り保管し、何年かに一度の集落内で葺き替えをする家に提供していたものです。
自分の家で必要な時は同じように他の家から譲り受けて使っていました。

あの建物も、柱はお寺で、障子戸は隣の家で、鍋や皿はあそこで・・・と再利用される運びです。
役に立ってくれれば却って有難いことと思います。
人間には臓器提供がありますが、建物も次に役立てれば生き続けることにもなるでしょう。


記事の訂正を含め、いろいろとご教示いただきまして有難うございました。
家そのものはなくなっても、部材や生活道具類は新たな生命を与えられて後世に続いていくことになったんですね。
歴史資料もその仲間に加えていただければと思います。
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