3~4日にかけて、恒例の歴史系3ゼミ(考古学・文化史・地域史)合同の卒論発表会が行われました。
文化史ゼミは報告と質疑応答の時間を確保するため、2日間にわたって開催されました。

2016年度卒論発表会 (9)

2016年度卒論発表会 (12)

報告者は古い時代から順番にということで、初日は平安~戦国頃の報告がありました。
鎌倉時代の絵巻物『春日権現験記絵』と説話をもとにした天狗の様相、1300年代で大きく変化するという天皇の葬送儀礼、室町時代の公家・武家社会に見る酒宴と「酔い」、文芸との関わりからみた明智光秀の人物像の再考、そして戦国時代の蘆名氏の家臣団統制と家中をテーマとした発表でした。

2016年度卒論発表会 (4)

2日目は戦国~近世、ヘッドライナー(笑)もとい大トリの発表は明治期(!?)に足を突っ込んでいます。
天正期の南奥羽大名・郡主の和平交渉と中人制の変質、小西行長の豊臣政権における役割の再検討、近年の豊臣秀頼政権の再評価に対する再検討、白石城を中心とした近世城下町における寺町の特質と役割、近世の最上紅花の品質と評価、二本松藩藩校の教育とその特質、そして信夫郡における神仏分離の展開をテーマとした発表でした。

2016年度卒論発表会 (10)

2016年度卒論発表会 (5)

内容のよしあしはもとより、「論文」という体裁自体がきちんと整っていたかなど、きついことも含めていろいろ言いましたが、どう受け止めたでしょうか。
卒業論文をレポートに毛の生えた程度にしか考えていない者たちが少なからず存在するという嘆かわしい風潮の中で、3年生の頃からテーマを模索し、何百年も前に書かれた和様漢文体の史料や学術論文と向き合い、長い時間をかけて試行錯誤しながら、人生最初で最後かもしれない何十枚にわたる文章を書き上げた経験は、誰でも簡単にはできることでないだけに、きっと人生のどこかで活きてくるはずです。
そのことは、これまでの卒業生たちの社会に出てからの成長ぶりが如実にあらわしています。
卒論の作成から報告に至るまで、最後までやりとげたことに、自信と誇りを持ってもらいたいと思います。
そして、そんな皆が卒業後に社会人として成長した姿を見せに来てくれたら、これほど嬉しいことはありません。

今回は卒業生がたくさん来てくれて、随所で的確な質問をしてくれました。
いい質問なので、思わずうんうんと頷いてしまうことが何度もありました。
卒論を書いた経験のある人のいうことはやはり違います。

2016年度卒論発表会 (2)

たくさんの差し入れもありがとう。
発表者の疲れた体と心を随分と癒してくれたはずです。
わたしの北菓楼がすっかり霞んでしまいました(笑)。

2016年度卒論発表会 (11)

2016年度卒論発表会 (6)

2016年度卒論発表会 (3)

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3ゼミ合同の慰労会は、卒業生・修了生を含めて50名近く(!)が参加したそうで、盛大でした。
前任の伊藤喜良先生も来てくださいました。

2016年度卒論発表会 (7)

2016年度卒論発表会 (14)

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卒論を書いた学生たちがそれぞれの思いを語ってくれましたが、3年生たちにはとてもいいアドヴァイスになったのではないでしょうか。
今回は特に、実習室でともに卒論に取り組めたことへの感謝の念を述べた人たちが多く、それだけに、そうしなかったのが勿体無かったという発言が印象に残りました。
卒論は個々人の大学4年間の学問の集大成であり、史料、先行研究、そして自分との孤独な戦いでもあります。
周りを気にせず、自分のペースで独りでやっている方が好きな人もいるでしょう。現に大学4年の頃の自分は、大学院への進学を考えていたこともあり、ずっと大学図書館に通って論文の作成に取り組んでいました。
でも、同じように苦悩しながらがんばっている仲間が近くにいたら、折れそうになった気持ちをもう一度奮い立たせて、またやってみようという気持ちになるでしょう。
彼らは決して馴れ合いという意味ではなく、いいライヴァル関係のように切磋琢磨しながら論文を書き上げることができたという、仲間への素直な感謝の思いを表明したかったのだと思います。
そんないい仲間に恵まれたゼミ生たちを、ちょっとだけ羨ましく思いました。

3年生たちにとっては、もう目の上のたんこぶもいなくなりますので(笑)、実習室を自分たちの居場所としてぜひ積極的に活用してもらえたらと思います。
とりあえず卒論を書いた皆さん、おつかれさまでした。

2016年度卒論発表会 (1)
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