世間は3連休の最終日、ふくしま未来学の企画した「みらいバス」で、奥会津の金山町に出かけてきました。
個人的には、8月に企画の打ち合わせに同行させていただいて以来、2回目の訪問です。

朝7時過ぎに金谷川駅を出発。
参加者は学生15名、職員3名に自分の計19名。
車中で参加者が自己紹介をし、途中で休憩をはさみながら、2時間半ほどで金山町役場に到着。
午前中は荏胡麻の刈取りなどのお手伝いでした。

荏胡麻なんていうから、ゴマの一種かと思っていたら、シソ科の植物なんですね(無知をさらけ出してすみません…)。
日本史の教科書にも出てきて、中世に石清水八幡宮の神人が大山崎の座で販売を独占していたのが荏胡麻油です。
当時は食用ではなく、照明(灯火)で使われていました。

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荏胡麻はもとから金山町の特産品というわけではありません。
老人クラブが自分たちで心身の健康を維持するために、健康によいとされる(「心の健康」という意味では、認知症にも効果があるらしい)荏胡麻の栽培を始めたのがきっかけだそうです。
寒暖差の大きい気候や、化学肥料を使わない土づくり、手作業のていねいな仕事によって、透明度の高い高品質な荏胡麻油が生産されており、高い評判をよんで、今では入手困難なくらい大人気なんだそうです。

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町も特産品づくりのため、本格的な支援を始めているとのことですが、だからといって、そう簡単に大量生産できるわけではありません。
金山町は福島県でも最も高齢化の進んだ地域で、住民の半数以上が高齢者です。
生産者たる高齢者にとって、荏胡麻の刈り取りや脱穀は相当な重労働です。
そこで今回は、そうした作業を体験的にお手伝いしながら、高齢者自らが始めた地域再生の新たな試みを通して、高齢化社会が抱える現実と課題を現場で学ぼうということになりました。

今回お手伝いする荏胡麻畑の様子です。

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約2時間ほどでしたが、最初は慣れない手つきで鎌を扱っていた学生たちも、まもなくコツをつかみ、刈り取りもスムーズに進むようになりました。
でも、畑のほんの一部しか刈り取ることはできませんでした。
約20名が鎌4つでとりかかってもこれだけですから、高齢者お一人でやるのがいかに大変かが想像できます。

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実はこぼれやすいので、ビニールシートを敷いて、その上で板に叩きつけて落とします。

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ふるいにかけた実は、唐箕でさらに何度も選別します。その作業を実際に見せていただきました。

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ちなみに、こちらが日本史の教科書に出てくる唐箕です。

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このあともいくつもの過程を経て、ていねいな手仕事で荏胡麻油が作られていくそうです。

途中で、2011年夏の新潟・福島豪雨の影響で4年間不通となっている只見線の駅舎と線路を見てきました。

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豪雨災害の爪痕は未だ町の随所で見られます。
そして、沼沢湖のヒメマスから基準値以上の放射性セシウムが検出されたことは、福島第一原発から遠く離れた金山町にも影を落としています。

見学中に、金山町長さんが挨拶にみえられました。大学に対する期待の大きさをひしひしと感じます。

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昼食後は、町職員から高齢化の現状、災害の影響などについて説明をうけ、奥会津エゴマの会代表に、荏胡麻づくりのきっかけから効用に至るまで、熱心な講義をいただきました。

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旧玉梨小学校で民具を見学し、玉梨とうふ茶屋でとうふやドーナツなどをいただいてから、帰路につきました。

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(写真は豆乳ソフトクリーム♪)

金谷川駅に着いたのが7時ですから、文字通り半日かけてのイベントでした。
金山町の関係者の皆様、ふくしま未来学事務局の皆様、お世話になりました。ありがとうございました。

金山町の関係者の、若者や大学に寄せる期待はかなり大きなものがありました。
その期待に応えるためにも、一回きりの体験授業で終わるのではなく、地域貢献を標榜する地方国立大学として、末長く続く良好な協力関係をいかに構築できるかが重要になってくると思います。

わたし自身は今後、文化財の保全と活用を通じて金山町との縁を大事にしていくつもりですが、ひとまず参加者の中から、一人でも多くの「金山町ファン」「金山町リピーター」が生まれることを期待したいと思います。
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