11月に引き続き、2週にわたって南相馬市にお邪魔してきました。
久しぶりの資料レスキューです。

初回は17日、県教委のTさんと一緒に参加しました。
あいにくの曇り空でしたが、「晴男」を自称するTさんと、比較的天気には強いと思っている自分のコンビだったせいか、山道で雪にあわなかったのが幸いでした。

南相馬市立博物館で学芸員さんたちと合流し、現場に向かいました。
戦前は養蚕業で繁栄し、昭和30年代からは酪農に転業したお宅です。
しかし、3・11で警戒区域に指定されたことにより、かわいがっていた牛たちも殺処分されたと、おばあちゃんが語ってくださいました。悲しくつらい話でした…。

昼食をとるのにお借りした部屋には、時のとまったカレンダーがかかっていました。
東日本大震災の復興はまだ終わっていないことをあらためて自覚させられます。

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今回の資料レスキューは、家屋の一部と蔵を解体することにともない、博物館で大量の資料の寄贈をうけることになったことから、調査と資料の受け取りにお邪魔しました。

1つめは農機具類の保管されていた蔵で、板戸にチョークで、農機具の購入年次が書き残されていました。
学芸員さん曰く、この地区での農機具の普及時期を知る手がかりになるそうです。

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2つめは主屋です。
最上階が丸ごとお蚕様用のスペースとなっていました。

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天井裏には、棟上げの際に奉納された立派な矢羽根があり、博物館によって回収されました。
こんなに立派なものが見られるのは珍しいそうです。
棟上げの時の写真も拝見しましたが、歴史的価値の高い建物であることがよくわかります。

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そして板倉です。
棚には書類や手紙、書籍・雑誌類が束ねて整理され、奥まで何重にもぎっしり詰められていました。
御当主が几帳面な方だったんですね。

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博物館が用意した20箱の文書箱では到底足りなかったため、入る分だけを回収し、続きは1週間後としました。

文書箱の確保が危ぶまれたため、福大での古文書整理にボランティアでよく来てくださる業者さんにお願いし、史料ネットとして文書箱を100箱発注しました。
かなり無理をお願いしたのに、快くご対応くださったMさん、本当に助かりました。ありがとうございましたm(__)m

そして1週間後の24日。
「晴れ男」Tさんの面目躍如といった感じの好天です。
今回は福島県博から2名、まほろんから1名の専門家が来てくださいました。
これぞ史料ネット!って雰囲気で、俄然気合いが入ります(^_−)−☆

隣では予定より解体が早く始まっていたため、時間との勝負です。

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大まかに現状を記録したあとは、とにかく箱詰めしていきます。
強力な助っ人の手で作業は順調に進みました。

そして終盤戦。
階段の下からはダメ押しとばかりに、大量の文書の入った大きな箱がいくつも…(≧∇≦)
重要書類ということで特にきちんとしまわれていたんでしょうね。
歴史研究者にとってはまさに「お宝発見」みたいな瞬間です。

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そして壁面には、随所に墨書があるのが発見されました。
いまのご当主のひいおじいさまの手によるものだそうです。
明治・大正期の世相が書かれるなどしていて、なかなか面白かったです。

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板蔵のあちこちに書き記されていたので、墨書の現状記録をとりました。

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蔵は近々解体されるようですが、ご先祖様のお気持ちも考えて、墨書がある部材はできるだけ残していただきたいと、所蔵者にお願いしてきました。

最終的に100箱を超えたそうで、文書箱が調達できてよかったです。
最後に手分けして博物館に収納しました。

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何とか救出はできましたが、今後はクリーニング、さらに記録、そして活用に至るまでには気の遠くなる時間と労力を要します。
博物館単独では到底無理でしょうから、ふくしま史料ネットとしても、多くの皆様のお力をお借りしながら何とか支援していきたいと考えています。

久しぶりの本格的な史料レスキューでしたが、所蔵者との交流、思いがけない資料の発見、仲間と一緒に汗をかいての共同作業など、歴史資料保全の現場ならではの醍醐味を味わえた1日でもありました。

福島県内での本当の意味での歴史資料保全活動は、ようやく緒についたといってもよいのかもしれません。
先人たちの思いを未来につなげていく活動を、仲間たちとともに変わらず続けていきたいと思います。
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