9月20~22日にかけて、奥会津の金山町での民具整理実習に出かけてきました。
金山町でそのままになっている民具の整理のことで、町長が直々にお見えになって相談を受けたのが2015年春のことでした。
1年余をかけて準備し、ここにようやく実現の運びとなりました。
これまでの経緯はコチラをご覧ください。

第1日

金山町から送迎バスに来ていただき、大学を出発したのが10時すぎ。
途中、サービスエリアで早めの昼食を取り、金山町の民具保管場所に着いたのが、予定の1時半ちょうどでした。

20160920金山町民具実習blog (1)

県博の民俗学専攻の学芸員である内山先生、大里先生にご指導いただきます。ありがとうございます。
顔合わせののち、まずはお掃除、そして会場設営から。

20160920金山町民具実習blog (3)

20160920金山町民具実習blog (5)

20160920金山町民具実習blog (4)

今回整理することにした資料は、かつて歴史民俗資料館に展示されていた、未整理の民具類です。
数年前、みちの駅の新設に伴い、歴史民俗資料館は大幅に縮小され、展示品は別の収蔵施設に移されました。
8月に県博学芸員、教育委員会と打ち合わせおよび下見に来た際に、この資料群を実習で取り上げようということになりました。
以前に内山先生のご指導を受け、茨城ネットとともにいわき市内の個人宅の民具資料を整理した経験に基づき、作業の流れを組み立て、グループ分けと役割分担をしました。

最初は何をしていいかわからず、機材トラブルもあって戸惑う姿もみられましたが、1つ2つとこなしているうちに、だんだんと要領をつかんできたようです。
作業が進むにつれて、グループ内での連携・協力でも固さが取れ、自然と力を貸しあうようになっていったように見受けられました。
何より、もともと展示品だったこともあり、バラエティ豊かないい資料が次々と運ばれ、楽しく作業できるようになったのが大きかったのでしょう。
初日が終わるころには、作業も手慣れていい感じになってきました。

20160920金山町民具実習blog (6)

20160920金山町民具実習blog (7)

20160920金山町民具実習blog (8)

終了後は、2日間お世話になる民宿へ。
学生たちがどんな食事をどんなふうに楽しんだかは知りませんが、大人たちは町長さん、教育長さん、文化財調査員などとの懇親会に出かけました。
目の前の川で釣ったというアユが肉厚で絶品でした(^o^)

20160920金山町民具実習blog (9)

20160920金山町民具実習blog (10)

地元の皆さんとの会話が盛り上がるにつれ、金山町が豊かな歴史・文化遺産の秘められたまちであることがわかってきました。
これから本格的な調査が進んでいけば、多様な分野でかなり面白い成果が上がっていくはずです。
今後が楽しみになりました。

第2日

作業前に、昨夜の懇親会で話題になった磨崖仏を見学。
これまで見たことのあるものの中では小さめでしたが、歴史の奥深さを感じさせてくれる史跡でした。

20160921金山町民具実習blog (1)

作業はグループのメンバーを入れ替えてスタート。
役割分担を変えると、最初はぎこちなくてうまくいかないのは仕方ないようですね…。
会津に実家のある4年生がわざわざ来てくれて、3年生とともに作業を手伝ってくれました。
昨日に比べても、チームワークは少しずつ高まってきているように思います。

20160921金山町民具実習blog (4)

20160921金山町民具実習blog (14)

それにしても、今更ながら民具資料の多彩さには驚かされます。
なかなか見ることのできない資料を間近でふれることができて、学生たちには本当にいい勉強になったはずです。

20160921金山町民具実習blog (7)

20160921金山町民具実習blog (10)

20160921金山町民具実習blog (11)

20160921金山町民具実習blog (12)

20160921金山町民具実習blog (13)

お昼は会津名物のソースかつ丼でした。
カリッと揚がっていて、たいへん美味でした)^o^(
名物の赤かぼちゃもごちそうになりました。これまた美味しかったです。

20160921金山町民具実習blog (9)

20160921金山町民具実習blog (8)

午後からは地元の皆さんをお招きし、民具についてご存じのことを教えていただきました。
10名もの方にお集まりいただきました。感謝申し上げます。
こちらの段取りが悪くて、もっとうまくできたのではないかと反省していますが、貴重なお話を聞かせていただくことができました。

20160921金山町民具実習blog (6)

20160921金山町民具実習blog (5)

結局、2日間で約40点の記録調査にとどまりました。
一つ一つの作業にけっこう時間がかかり、思ったほど進みませんでした。
でも、見方を変えれば、来年度以降の楽しみを残しておいたともいえます。
ぜひ来年度も調査を実施し、対象の幅を広げていくことで、できれば9月の博物館実習の風物詩にしていきたいものです。
内山先生、大里先生、教育委員会はじめ役場の皆様、文化財調査員の皆様、そしてお集まりいただいた地元の皆様、ありがとうございました。

20160921金山町民具実習blog (2)

20160921金山町民具実習blog (3)

夜は全員で交流会。
気がついたらいつの間にか12時になっていましたが(笑)、いろいろな話ができて、みんなのパーソナリティーも垣間見れた気がします。
自分の思っていることを話していいんだって安心できる雰囲気づくりから始まって、実習で協力し合っていかなければならない仲間どうし、まだまだ長い付き合いになるだろうから、無理なく自然に親睦を深めていってもらえたら嬉しいです。

最終日

初日の交流会で話題になった、地元の古刹を見学。
突然の無理なお願いにもかかわらず、貴重な文化遺産を拝見させていただき、有難うございました。
ついで、旧玉梨小学校で栗城弥平氏蒐集の弥平民具を見学。
どこからともなく「これと同じものがありましたよね」「地元の呼び名が書いてありますよ」との声が聞こえてきました。
少しは勉強の成果が出てきたんでしょうか。
これだけの民具コレクションと、実際に道具を使っている場面の写真(既に新潟大でデジタルアーカイブ化したそうです)という貴重な資料群があるわけですから、ここに地域の人たちの記憶の継承が加われば、すごく面白いものになるはずです。
町にはぜひ本腰を入れて、調査と保存・継承、そして展示による普及に乗り出していただけるよう、期待してやみません。

私のたってのリクエストで(笑)、玉梨とうふ茶屋でおからドーナツをいただき、お土産を買って帰路につきました。

合宿形式の民具記録整理という初めての試みでしたが、学生たちには貴重な学びの場になったと思います。
1年半かけて準備段階からお骨折りいただいた金山町教育委員会をはじめ、関係者の皆様にはこの場を借りて、あらためて御礼申し上げます。
われわれ福島県の歴史・文化遺産に関わる者たちにとっては、金山町にはたくさんの秘められた魅力ある歴史・文化遺産があることを教えていただいたことが、最大の成果であったと思います。
福島県でも最も高齢化の進む金山町ではありますが、地元の皆さんは本当にお元気ですので、まだまだたくさんのことを教えていただければ幸いです。