福島県文化財センター白河館(愛称「まほろん」)では、7月3日(日)まで、ふくしま復興展「震災遺産と文化財」が好評開催中です。
授業前の合間をぬって、ようやく見に行くことができました。
(以下、撮影した写真はまほろん関係者の許可を得たものです)

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昨年度は郡山福島大学で展示させていただき、福島県博や富岡町でも拝見させていただいた、おなじみの震災遺産の数々が展示されていました。

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そんな中でも、まほろんを会場とするだけに、「まほろん」にふさわしい創意工夫にあふれた展示となっています。
展示に込められた意図を理解するには、やはり実際に会場に足を運ばないことにはわかりません。
会期は残すところあと1週間ほどになりましたが、まだという方はぜひご覧になってください。

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通常展示の最後の「みんなの研究ひろば」のコーナーでは、まほろんの学芸員さんたちが近年力を入れている、伝承が危ぶまれている伝統技術の復元の試み(被災地である南相馬市小高区の箕)が紹介されています。

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失われる技術を復元する資料として活用できるためにどのような映像を残したらよいのか、その映像を手がかりにどうやって技術から民具そのものまで復元できるかという、壮大な試みです。
担当者のお二人にお話をうかがうことができましたが、伝統技術の保全と継承という、重要でありながら見過ごされてきた点を掘り下げた、かなり面白い取り組みです。
これこそまさに、文化財センターの真骨頂といっても誉めすぎではないと思います。

いろいろな文化財関係者が、それぞれの専門や関心に即して、自分たちのできるところから、ふくしまの歴史・文化遺産の保全と継承にとりくんでいます。
気の遠くなるような作業の連続で、いくら片付けても終わりは一向に見えない活動でもあります。
被災地で歴史学に携わる者としての使命感と覚悟だけでは、なかなか続けられるものではありません。
そんな中、豊かなアイデアを一つ一つ実現させながら、明るく前向きに取りくんでいる仲間たちの姿に接して、またがんばろうという気持ちを新たにしました。

そんな私は日々、古文書学実習を履修する3年生たち、熱心に後輩を指導する4年生たち、そして市民ボランティアの皆さんに支えられながら、徳竹先生とともに被災歴史資料の記録整理を続けることができています。
9月にまほろんにて、そうした経験と技術を少しでも多くの人たちに伝えられるよう、被災歴史資料の記録に関する文化財研修をお手伝いすることになりました。
詳細は後日、ふくしま史料ネットでもご案内いたします。
少しでも多くの皆様のご参加をお待ちしています。
6月13日は、当ブログを開始した日で、丸3年になります。
すっかり忘れていて、気づいたらとっくにもう4年目に入っていました…(^_^;)

1年前はfacebookページを開設してまもない頃で、まだ慣れていないこともあり、情報発信ではなおブログの比重が大きかったのですが、この1年ですっかり様変わりしてしまいました。
わたしが管理するふくしま史料ネットの情報発信ツールがfacebookページなので、研究室の情報発信も自然とfacebookページにシフトしていった感じです。

facebookを始める前はものすごい抵抗感があり、本当に半年間迷って(笑)、それこそ「清水の舞台から飛び降りる」くらいのつもりで始めました。
やってみると情報をシェアできるのが手軽だし、情報がどの程度広まっているのかが何となくつかめるのもいいところかもしれません。
気軽に更新できるホームページという感じで重宝しています。
ただし、たとえweb上で反響があったとしても、現実は全く違うということもよくわかりましたけど(笑)。
いまは、Facebookページは写真などを主体にして、まとまった長い文章になりそうなときはブログを使うようにしています。

このブログの「はじめに」でも書いたように、「福大行政政策で歴史が学べることを知ってほしい」「ふくしま史料ネットはこんな活動をしている」という情報発信のために開設したものです。
その結果、3年も経つと、ずいぶんといろいろな情報が集積されるようになりました。
たまに調べものがあるときに該当する記事を読みなおしたりすると、けっこう役に立ちます。
いつまで続くかわかりませんが、これからも福大行政文化史ゼミ、そしてふくしま史料ネットの活動のあゆみの記録として、細々とでも投稿を続けていこうと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。
今日は3限の古文書講読を30分早く開始し(受講生の皆さん、申し訳なかったです)、徳竹先生の教養演習(1年次ゼミ)が大学近隣の松川地区の巡検に行くというので、お邪魔させていただきました。
主目的は、松川スマートICを経由する際に素通りするだけで見たことのない、伊達氏の「八丁目城跡」です。

大学前から路線バスで松川市街地に。
地域史ゼミ4年のYくん、Wくん、文化史ゼミ4年のMちゃんも参加しました。
現地で政治思想史の小島先生も合流されました。

スタートは「こでらんに福島通 八丁目宿」のスタート地点でもある、松川支所・学習センター。
真新しい看板を前に、地元の郷土史家、文化財愛好家など、たくさんの出迎えをうけました。

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わたし自身は今日はおまけなので、最後尾で「殿(しんがり)」をつとめつつ、いつも通り?自発的に写真係に徹しました。

モデルコースに従い、街道の分岐点である「六地蔵道標」から市街地の巡検をスタート。

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要所要所で詳しい説明を受けながら、いよいよ八丁目城へ。

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故小林清治先生の文章が掲載された説明板が出迎えてくれました。

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当初は登る予定はなかったようですが、小島先生とわたしだけでも登ろうとしたら、結局は全員で本丸まで登ることに(笑)。
わがままにつきあわせてしまったかたちになりましたが、やさしい徳竹先生は「ここまで来たらやはり登らないと」と仰ってくださいましたし、何より若者たちが先頭を切って元気に登っていくので、まあいいかなと(笑)。

とりあえず本丸まで登りました。
奥州街道の交通の要衝に臨み、二本松(畠山氏)方面への抑え、戦略拠点としても重要なところだと、あらためて感じました。
なかなか見晴らしもよかったです。

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その後は旧奥州街道に沿って、めがね橋から天満宮へ。
中世、近世、近代のさまざまな歴史・文化遺産が息づいた、古い伝統ある宿場町であることを実感できます。

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地元の皆さんが地元の歴史・文化遺産に誇りを持ち、大切にしようと積極的な活動を展開し、若者たちを巻き込んで街の活性化につなげようという意気込みには圧倒されるばかりです。
まだ初々しさの残る1年生たちが、これからの成長とともに、きっといい学びの成果を生み出してくれるでしょう。
期待していますので、ぜひがんばってください。

今日は長年の夢であった八丁目城をざっと見学できただけでも、充実した一日となりました。
お誘いいただいた徳竹先生、ご案内いただいた地元の皆様には心より感謝申し上げます。
昨日は、着任以来の恒例行事となっている、福島県立博物館の見学実習に行ってきました。
目下、企画展「大須賀清光の屏風絵と番付」の開催中です。

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道路がすいていたこともあり、思いがけず1時間近く早く到着。
天気もよかったので、先に鶴ヶ城を散歩しました。
小中学生でしょうか、団体もたくさん来ていました。
震災と原発事故で減少した観光客(特に修学旅行)も、回復してきているのであれば喜ばしいことです。
天守閣をバックに記念撮影しているので、われわれも同様に。

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予定時刻となったので、博物館へ。
午前中は、着任以来ずっとお世話になっている高橋充学芸員のご案内で、企画展を見学。
屏風絵などが多いため、展示されている作品の数は決して多くはありませんが、城下絵図ということもあって、一つ一つをじっくり見ていると、あっという間に時間が経ってしまいます。

昼食を挟み、バックヤードの見学と説明を受けることに。

まずは内山学芸員より、第1収蔵庫で民俗資料についてご説明いただきました。
3日前に福大に講義に来ていただいたので、授業内容も記憶に新しいところです。
その際にお話しいただいた資料の実物も見せていただけました。
モノ自体も大切だけれど、それに付随する種々の情報も同等に大切であることを、あらためて教えられます。
それはまさにいま、県博が中心になって取り組んでいる「震災遺産」の展示でも生かされている研究手法なんですね。

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続いて高橋満学芸員より、県博が中心になって取り組んでいる震災遺産と、第2収蔵庫の考古資料の収蔵と管理などについてご説明いただきました。
現在は白河の「まほろん」で「震災遺産と文化財」展が好評開催中ですが、それ以外にもまだまだたくさんの震災資料が県博で保管されています。
日常的にごくありふれたモノでありながら、なぜそれが震災遺産とされたのか、その意味をていねいに説明していただきました。
今では震災遺産も手作りの箱で梱包した上で収蔵・輸送するようになったそうで、残念ながら中身は見られませんでしたが、バックヤードに所狭しと並んでいる様子がわかります。

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最後は7月に講義に来ていただく相田学芸員に、自然史資料(化石・鉱物)についてご説明いただきました。
博物館の収蔵庫の機能と意味、人文系資料と自然系の標本の根本的な違い、博物館が標本を収集する意義まで、一つひとつ懇切丁寧にお話しいただきました。
そのあと、化石や鉱物の標本を手に取って見せていただき、時間一杯まで収蔵庫内を自由に見学させていただきました。
また博物館資料論の講義でよろしくお願いいたします。

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予定を少しオーバーしましたが、今年度もおかげさまで充実した見学実習となりました。
ご対応いただいた福島県立博物館の皆様には心より感謝申し上げます。
実習生の皆さんには、博物館の機能と社会的役割、学芸員の専門家としての仕事や社会貢献など、見学実習だからこそ学ぶことのできた貴重な経験の数々を、ぜひ今後の学びに生かしてもらいたいと思います。

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