今年もふくしま史料ネット主催の夏期集中作業が福島大学で行われました。
2012年の第1回目が盛況に終わった後、われわれがきちんと継続できなかったことが最大の要因だと思いますが、時の流れとともに、被災地への関心やボランティア熱が冷め、すっかり下火になってしまっていることもあるのでしょう、本来の目的である「普段は参加できない方に、ふくしまの今を知っていただくためにも作業をお手伝いしてほしい」という思いは、なかなか届いていないのが実情です。
それはおそらく福島だけではなく、被災地の多くが抱えている共通の悩みではないでしょうか。
現実には学生たちに頼らざるを得ないものの、それに甘えることなく、少しでも経験者、協力者を増やす努力を続けなければいけないと思っています。

そんな中、2012年、2014年と毎回来てくださっている方や、昨年に引き続いて今年もいの一番に申し込んでくださった方、新しく始めたFacebookページの呼びかけを見て参加してくださった方もいて、本当にありがたいです。
いつも手伝ってくれる学生・院生たちにも感謝です。

第1日

この日は17名。
卒業生が3人来てくれて、半ば同窓会みたいになりました。

この日から、東日本大震災で津波被害を受けた古文書類の記録整理作業に入りました。
実は2012年5月の茨城ネットとの共同作業で、福大組がいわきでクリーニングや目録作成をした資料群なのです。
(詳しくは行政政策学類ブログ ガンバロウ福大! 行政の「結」の該当記事をご覧ください)
不思議な縁で、今度は福大で再会することになりました。

20150822夏期集中作業(10)

今日はほぼ全員で記録撮影に集中し、保存科学の専門の方にカビのひどい状態の資料の処置をお願いしました。

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資料は封筒にハガキや電報が何百枚単位で束ねられており、1枚ごとに封筒に入れ替えていてはきりがないため、番号カードを併用することにしました。
学生に手伝ってもらい、急遽印刷した番号カードをカットしてもらいました。

20150822夏期集中作業 (4)

昼食はいつもの見晴らしのよい5階で、仲良くお弁当をいただきました。

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午後は埃の残った資料をクリーニングし、カビの有無について状態を一通りチェックしていただきました。
撮影も快調に進みます。
小休憩では卒業生のIくんの差し入れとわたしの用意したお菓子です。

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予定通り4時半には終了し、Kさんの差し入れの桃をお土産として分けっこしました。
みんな大喜びでした。いつもお気遣いいただき、有難うございます。

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第2日

この日は部分参加も含めて21名でした。
小雨が混じる、8月にしてはかなり寒い朝でした。
今度は2年前の徳竹ゼミ卒業生のAちゃんが来てくれました。
差し入れをありがとう。みんなで美味しくいただきました。

20150823夏期集中作業 (5)

昨日と同様に、全員で数百枚単位のハガキの束や書簡類の撮影に専念しました。
Facebookの呼びかけを見て初めて参加してくださった方も、1日中作業に専念してくださいました。おつかれさまでした。

午後から学生たちの数も増え、これまで最大の7台を駆使しての撮影です。あらためて見ると圧巻です。

20150823夏期集中作業 (4)

休憩時間にはMくんの函館土産も加わって、ちょっと贅沢な感じになりました。

20150823夏期集中作業 (6)

予定通り4時半に片付けを含めて終了しました。

昨年も同じで、始まる前は参加者が集まってくれるのか、不安ばかりが頭をよぎっていましたが、終わってみると、やはりやっただけのかいがありました。
学外から参加いただいた方々と旧交を温めることができましたし、新しい出会いもありました。
今年は学生・院生だけでなく、卒業生たちにもずいぶんと助けられました。
思うように外部からの参加者を集めることはこれからも難しいかもしれませんが、来年以降も粘り強く続けていくつもりです。

2日間にわたり参加していただいた皆様、心よりお礼申し上げます。
オープンキャンパスの名残りが構内の随所に見られた月曜日、以前から協力を依頼されていた金山町を訪問しました。
3月の成果報告会を聞いて関心をもってくださった町長さんが、大学を訪問してくださったのが4月。
教育委員会の担当者さんがお見えになられ、そのときに本学が採択を受けている文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」の一環として今年度から実施しているみらいバスの企画をご紹介したのが6月のこと。
8月に至り、みらいバス企画の下打ち合わせに同乗させていただくかたちで、ようやく金山町の訪問が実現しました。

朝8時半に大学を出発し、最初の目的地の金山町自然教育村会館(旧玉梨小学校)までほぼ2時間。

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この日から「村の肖像展」が始まっていました。
備え付けの黒板などを活用した手作り感が建物のレトロさと相俟って、いい雰囲気を醸し出しています。

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地元ご出身の角田勝之助さんが60年余りにわたり撮影し続けてきた住民や風景の写真が展示されていました。
来場されていた町民と思しき方々が、写真を前に思い出話に花を咲かせていました。
昔はまだカメラや写真が珍しいことを思えば、これらもまた立派な「歴史資料」です。

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今回の訪問の目的の一つは、こちらで保管されている「弥平民具」の見学。
栗城弥平さんが個人で蒐集された民具が長年にわたり保管されたままになっており、町としては歴史民俗資料館を建設して活用したいという思いがあって、ご相談を頂きました。
ただ建物をつくるだけで終ることのない有効なあり方について、町の皆さんとともに考えていければと思っています。

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昼食は、近くの「玉梨とうふ茶屋」でいただきました。

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実はこのお店、わたしのわがままなリクエストで立ち寄らせていただきました(笑)。
都内に玉梨とうふのおからドーナツの店舗があり、時折入荷する「青ばと豆腐」の味に魅せられて、いつか奥会津の店舗で食べてみたいと思っていたんです。
せっかくなので、豆腐づくしの「玉梨御膳」をいただきました。けっこう満腹になります。大満足です(^o^)

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午後からは教育委員会で、歴史民俗資料館の構想や大学との協力関係について多岐にわたる意見交換をしました。
つづいて、本題であるCOCみらいバスについての企画の下うちあわせです。
当初の計画からは二転三転しましたが、何とか企画の趣旨に沿うかたちでの新たなご提案を頂き、実現に向けて明るい兆しが見えてきました。
それはひとえに、町役場の担当者さんの熱意と、見事なまでの連係のおかげでもあります。
小さな町役場ということもあってか、部署を越えて代わる代わる担当者さんがかけつけてくださり、スムーズに話を進めることができました。
この場を借りて感謝申し上げます。

その後、金山町を舞台に製作されたドキュメンタリー映画「春よこい」の主人公である、マタギの猪俣さんにご挨拶させていただきました。
マタギといえば、小学生のころだったか、西村晃主演の映画を学校で見たような記憶があります。
ネットで調べたら、文字通り「マタギ」という映画でした。記憶は間違っていませんでした。
映画を拝見したいのはもちろんのこと、できれば大学で映画を見ながら、猪俣さんの熱い思いを学生や教職員とともに直接聞かせていただきたいと思いました。何とか実現できないかな…。
突然の訪問にもかかわらず、快くお時間を下さった猪俣さん、有難うございました。

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その後、天然炭酸水の産出場を見学。帰りがけに購入してきました。

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最後に道の駅かねやまの一角にある「歴史民俗資料館」を見学。正直、ちょっとさびしいですね…。

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今日のおつかれさまということで、名産の赤かぼちゃとそばのソフトクリームを購入。
どちらもさらっとした食感と、食後にかぼちゃとそばの風味が残る、なかなかの味でした。

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夜8時前に大学に帰還。
半日がかりの旅程でしたが、金山町の関係者の熱意とご高配のおかげで、充実した成果を得ることができました。
今後とも大学と町とのいい関係を長く築いていけるよう努力しますので、よろしくお願いいたします。

そして何より、半日おつきあいいただいたCOC事務局のAさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
長旅だったけど、とっても楽しかったです(・ω・)
8月9日日曜日は、福島大学オープンキャンパスでした。
全学、学類、センターなど各組織でさまざまな企画が目白押しです。
そんな中、われわれ文化史・地域史ゼミは「古文書学実習の実演」という企画で初めて参加しました。

20150809オープンキャンパス (0)

このブログを始めたきっかけでもある、「行政政策学類で歴史学が学べる」ことを知ってもらいたい、歴史を学びたいという学生にたくさん集まってもらいたいという強い思い、逆にこのまま何もしなければ埋もれて消え去ってしまうという危機感は、2年以上経った今でも何ら変わっていません。
ここ数年、幸いにして文化史ゼミはそれなりの学生数を集めるようになりましたが、それだって水物、いつまた閑古鳥が鳴くやもしれません。
何の努力もしないで偉そうな口をたたく、不平不満をいうだけなら簡単だけど、それでは何も変わらない、だったらだめもとでもいいからどんなことでもやるだけやってみよう、それがとりわけ震災後の福大で自分が一番強く感じ、学んだことなのかもしれません。

幸い、広報委員の先生方から関心を示していただいたこともあり、今回は初めて行政棟の一角を借りて、古文書学実習の実演をやらせていただくことになりました。

連日の猛暑だった福島も、今朝は小雨交じりの曇り空。蒸し暑いですが、風がふけばいくぶん穏やかです。
昨夜の懇親会の疲れも抜けきらない朝9時前から集まってくれた学生たちに手伝ってもらい、セッティングです。

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早くも9時半ぐらいから人が来るようになりましたが、学生たちはいつの間にか、自発的に呼び込みや説明、古文書撮影体験を始めるようになりました。
物おじせず、自分から積極的に話しかけて、くずし字を読んでみせるなどして関心を引き出そうと一所懸命やってくれています。
予想外にみんな頼もしいなあ…。
あと、Mちゃんの絶妙な営業トーク(?)には目を見張りました。ほんと上手いです。
見学してくれた方々に大きな声でお礼の言葉をかけることを忘れないEくんにも感心しました。
徳竹先生もお休みのところ、わざわざ応援に来てくださいました。嬉しいですね。

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午前組のみんなです。学友会がスタッフとして扱ってくれたおかげで、お揃いのTシャツです。

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お昼休みで午後組と交代。
午後からは日差しも強くなり、かなり暑くなってきました。
わたしは学生生活委員の仕事にかかりきりで、片付けの時間までタッチできませんでしたが、聞くところではキャンパスツアーでのグループ見学が多かったようです。
戻ってみると、授業のプリントがおいてあったのには「おいおい」と思いましたが(笑)、ゼミ生なりのアイデアだったようです。まあ、いいかな。

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片づけを終えて、午後組の記念撮影。

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はたしてどの程度の効果があったのかは定かではありません。
何年か先に、「あのときのオープンキャンパスで行政政策の歴史系ゼミを選びました」という学生が出てくれば、それが目に見える成功なのかもしれません。

でも、そんなのは小さなことに過ぎないんだと思いました。
一番嬉しかったのは、学生たちがあれだけ自分で考えて、自発的に動いてくれたこと。
それこそが今回の一番の収穫だったのかもしれません。
彼ら一人一人にとってみれば、自分が今何を学んでいるのかを相手に説明することで、その意味を捉えなおすいいきっかけになったのではないかと思います。
そして人とコミュニケーションをとって思いを伝えることの難しさ、そしてそれが上手くいったときの喜びの大きさを感じられたことも、とてもいい経験になったでしょう。

協力してくれたみんな、本当にありがとう。そしておつかれさまでした。
いつもとは言いませんが(笑)、昨日も、そして今日も、福大の教員であることに幸せと喜び、そしてみんなのようなゼミ生がいてくれることに誇りを感じることのできた、いい一日でした。
地域史のゼミ生たちともより一層距離が縮まり、親しくなれた気がしました。
そして、みんなのような生き生きした笑顔を見せてくれるゼミ生たちがいてくれる限り、わたしは自信をもって福大の教員を続けられるように思います。

そう、わたしはけっこう単純な男なんです(笑)。
昨日はオープンキャンパス前日の準備の中、初めての試みとして、福島大学史学会例会を開催しました。

福島大学史学会は旧教育学部を中心に設立されて約50年の歴史があります。
しかしながら、昨今は諸事情から活動も停滞気味であったことから、ここ数年、教員の中で議論を重ね、学会としてのかたちは残しつつも、教員と在学生の学びの場としての性格をより強めることで、基礎部分から立て直しをはかり、会の活動が再び活況を呈するようになることをめざすことになりました。

その試みの一環として、年1度の大会とは別に、学生たちの研究報告を中心とした例会を年数回開催することにしました。
昨日はその第1回目、人間発達文化学類大会議室にて50名近くの参加者を得て行われました。

20150808福大史学会例会 (1)

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報告者は3月に卒業したWさん(文化史ゼミ)とSくん(地域史ゼミ)です。
Wさんは説話などで有名な源頼光ははたして本当に武士なのか、常識的理解に疑問を投げかけ、貴族としての側面を多面的に論じました。
Sくんは明治時代の磐梯山噴火を例に、地方行政が災害時にどのような役割をはたしたのかを追究し、明らかにした報告でした。

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いままでのゼミや卒論報告会とは異なり、他学類の先生方や学生たちからも活発な意見や質問が出され、初回としては成功だったと思います。
個人的には、うちのゼミ生が一番活発に発言してくれたのが嬉しかったです。

懇親会も盛り上がりました。
たまたま同席していた行政政策OBの方に撮影していただきました。
ありがとうございました。

20150808福大史学会例会 (2)