大学は、12月20日で授業が終わりました。
20日の夜は、福島大学東京サテライトにて単発の講師をつとめてきました。
大学院生の皆さんに、歴史資料保全活動に関する話をしてきました。
福島は朝から雪で、東北線が停電で止まるなど、 一時はどうなることかと危ぶまれましたが、何とか予定通りに到着できました。



東京サテライトでは、素敵なクリスマスツリーが出迎えてくれました。



この日は、来年度のゼミ生の所属希望者が教員向けに内示されました。
これから調整さらに2次募集、正式決定の段取りになりますが、おかげさまで来年度もゼミ生が来てくれることになりました。

さて、本題です。
木曜日に、学内にて古文書の裏打ち実習を行いました。
いつも館園実習でお世話になっている郡山市歴史資料館から講師をお招きしました。
最初は、裏打ちのもつ意味や注意点などについて講義を受けました。

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続いて裏打ちの実習です。
予め和紙を裁断し、裏打ち紙と、それより一回り小さい本紙をつくります。
本紙には古文書をコピーし、虫食い穴をつくっておきます。
せっかくなので、本物が学生たちの実習に登場することなどありえない、伊達と後北条と武田の文書のコピーを用意しました(笑)。

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一つ目は、裏打ち紙に糊をつけて、本紙に貼り付ける方法を学びました。
噴霧器を使って本紙を湿らせたあと、糊を塗布した裏打ち紙を重ねて貼り付けていきます。

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裏打ちのできたものは、板などに貼り付けて、丸一日乾燥させたあとに剥がします。

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もう一つ、本紙に糊をつけて裏打ち紙を貼る方法です。
こちらは仕上がったものを台の上に載せて乾燥させます。

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最初はおっかなびっくりだった学生たちも、だんだん調子に乗って、何枚もやり始めるようになりました(笑)。

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最後はきちんと後片付けをして、終了です。

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翌日、乾燥させたものを剥がしました。
本来ならば周囲を裁断して終了なのですが、今回はここまでにしました。

道具もいろいろ揃えたことですし、来年度以降もお願いして、続けていきたいと思っています。
『ふくしま再生と歴史・文化遺産』、もうお買い求めいただいたでしょうか(笑)。

ふくしま再生と歴史・文化遺産1

世の中の反応がいかなるものかはわかりかねますが、周囲を見渡す限りでは、本が出たことすらまだまだ知られていないし、知ってはいても関心は決して高いといえず、本が刊行されたことの意味に至っては、まだほとんど理解されていないように見受けられます。
「福島大学~」と名前を冠しているにも関わらず、大学生協に1冊も置いていなかったのには、さすがに参りました…(担当者に頼んでおいたので、近いうちにおいてくださると思います)。
通りがけに覗いた市内の本屋さんもお義理程度に1,2冊しか並べていませんでした…。
都内の大きな書店では、何と地方史の福島県の棚においてあったという話も。
聞くところでは「福島大学と書いてあるから」地方史(…?)の扱いにされていたのだそうです。
帯の紹介文が目に入れば、震災関連の本と一緒に並べるぐらいの機転を利かせてほしいものですが…。
現実はなかなか厳しいものです。

そんな中、地道な営業活動?として、土日出勤の振替休日を利用し、母校である東京都立新宿高校同窓会に書籍を寄贈し、HPへの掲載をお願いしてきました。

先週は大学にて、読売新聞福島支局の記者さんの取材を受けました。
1時間以上にわたり、いろいろな話をさせていただきました。
どうなるかはわかりませんが、もし記事を掲載していただけるのであれば、少しでも大きく取り上げていただけると嬉しいです。
さらに欲を言えば、県内だけでなく、全国版でも取り上げてもらえるようになるとありがたいのですが…。

その時にもお話ししたのですが、最近は政治家も帰還できない区域を明示すべきだと公言しはじめています。
また「震災1000日」ということで、マスコミが再び特集を組んで報道するようになっていますが、その中でも特に気になるのは、復興庁の調査結果で、双葉町や大熊町で「もう故郷に戻らない」と決めている住民が大幅に増えているという点です。
そうであるならば、旧来のコミュニティの解体は、もう止めることができないところまで加速度的に進んでいるのが現実だということになるでしょう。
私たちが関わっている文化財等の救出も喫緊の課題ですが、多くの関係者が危惧するように、民俗芸能などの無形文化遺産や伝統的な生活文化の保全と継承はどうなってしまうのでしょうか。

ここまで来ると、残された時間は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。
でも、今ならまだ何とかなるかもしれないという、一縷の望みがあると信じたい気持ちもあります。
ここでもう無理だとあきらめてしまうのか、否、やれるところまでとにかく動いてみるのか、こういう本を世の中に送り出した者として、最後まで責任をとれるかどうか、今こそ本気度が試されていると言っても過言ではありません。責任は重大です。
あれこれ言わず、動ける者ができるところから積極的に動かないと、本当に取り返しのつかないことになってしまいます。
私たちがこの本の中で早期の実現を訴えている国の「震災ミュージアム」構想も「待ったなし」で要望していかないとなりません。

ただ、我々が使命感を強く持ち、たえず努力を続けているつもりではいても、至らないところばかりですし、実現できないことは山のようにあります。
だからこそ、この本を通じて、まずは県内の方々に、そして全国の方々に、福島の歴史・文化遺産の現状と課題を知っていただき、よき理解者、協力者、支援者を増やしていくことが不可欠だと思うのです。

ほとんど周辺の関係者しか読んでいないであろう(笑)このブログで何か訴えてどうなるものでもありませんが、心ある皆様には、ぜひこの本を宣伝していただきたく、お願いいたします。
私はやりませんが、「つぶやき」でも「顔本」でも「線」でも(笑)何でもけっこうです。
誤解のないように言っておきますが、いくら売れても印税は入りません(笑)。
ここからも、私利私欲で言っているわけではないことはお分かりいただけるかと思います。

話代わって、大学では来年度の専門ゼミ選択に向けてガイダンスが終了し、ゼミ見学が始まりました。
授業も冬休みに向けて最後の追い込みです。
そんな中、再来週には学内で文書の裏打ちの実習をすることになりました。
またいずれ、写真入りで楽しい実習の様子をご紹介できればと思っています。

そうそう、12月14日には白石市で「片倉小十郎景綱~ナンバー2の実像」なるシンポジウムが開催されます。
私はコーディネーターなる大役をお任せいただきました。仙台市史編纂室長の菅野正道さんの「阿部さんも早く宮城デビューするように」というご配慮によるものです。
12月20日には、福島大学東京サテライトで1回限りの講義をしてきます。
そんな感じで、師走どころの騒ぎではないプチ東奔西走ぶりですが、元気に乗り切りたいと思います。

12/10追記:読売新聞(地域面・福島)に記事を掲載していただきました。こちらもよろしければご一読ください。