東日本大震災から6年目になるこの夏、お誘いを受け、資料レスキューに同行して初めて富岡町を訪れました。
特製?ヘルメットも久しぶりに出番です。

20160810富岡町資料レスキューbg (1)

20160810富岡町資料レスキューbg (4)

郡山駅前で集合し、約2時間で富岡町へ。
途中立ち寄ったコンビニ前で看板をみつけ、あらためて富岡町に足を踏み入れたことを実感。

20160810富岡町資料レスキューbg (8)

今回は旧家の地域資料の保全が目的です。
富岡町歴史・文化等保存プロジェクトチーム(以下、富岡町PT)の皆さんは現場経験も豊富で、手慣れた感じで保全すべき資料を次々と箱詰めしていきました。

20160810富岡町資料レスキューbg (2)

20160810富岡町資料レスキューbg (5)

お昼休みに立ち寄った別のコンビニでは、こんな光景も。
とみっぴー、あちこちで人気です(・ω・)

20160810富岡町資料レスキューbg (7)

20160810富岡町資料レスキューbg (10)

途中、富岡の中心街にも立ち寄りました。
町民にとって思い出深い街並みをいかにして護っていくか、重要な課題です。
とりわけ、歴史ある象徴的な建造物の保全は、お金もかかわるだけに難しいところです。
でも、どことなく懐かしさを感じる景観を、思い出のよすがとしてもできるだけ残せるようにしていきたいものです。

20160810富岡町資料レスキューbg (11)

歴史資料館のある学びの森も拝見させていただきました。
新たな町民の心のよりどころとして、再生の道を歩みだすことを願っています。

20160810富岡町資料レスキューbg (6)

午後も多くの地域資料を救出し、一時保管場所に運び込みました。
いずれ資料整理のときに再会しましょう。

20160810富岡町資料レスキューbg (3)

20160810富岡町資料レスキューbg (9)

富岡町さんとは、直接には2012年の文化財レスキュー以来のお付き合いですが、4年経ってようやく初めて訪れることができました。

人知れずレスキューを待っている歴史資料は、旧警戒区域だけでも数知れずあります。
県レベルでいったら、想像できない桁外れの量の歴史資料が眠っているはずです。

被災地は、地域性の喪失という危機感をバネに歴史資料保全活動にとりくんでいますが、残念ながらどこも同じというわけではありません。
しかしながら、今やらなければならないのは、被災地だろうがそうでなかろうが、どこでも同じです。

いかにそういう意識を高め、共有し、協力しあえる関係を構築していけるか、それこそがふくしま歴史資料保存ネットワークの発足の目的であり、はたすべき役割であることを再確認した一日でもありました。

富岡町PTの皆さん、お世話になりました。機会があればまたご一緒させてください。
昨年度の博物館実習では、国見町貝田地区をフィールドに、地域の歴史・文化遺産に新たな光をあて、その成果を「貝田宿まるごと博物館」と見学ツアーとしてまとめました(前編 後編)。
今年度は国見町小坂地区をフィールドに設定し、履修生たちと郷土史研究の成果をざっと学んだのち、現地を訪問しました。

前日の猛暑とはうってかわり、外歩きにとっては好都合の穏やかな曇り空。
郷土史研究会の笠松さんのご案内で、まずは小坂地区の地形を確認し、江戸時代の絵図を見ながら羽州街道を歩きました。

20160808小坂地区フィールドワーク_(8)_convert_20160808233207

20160808小坂地区フィールドワーク_(23)_convert_20160808233655

旧小学校を横目に左に入ると、旧小坂宿が見えてきます。
震災の翌年に被災状況を調査するために訪問して以来、幾度も訪れた場所でもあります。
江戸時代の宿場町の歴史を感じさせる古い建造物があまりないのが残念ですが、町割などにかつての名残りがあります。
少しは往時の風景を感じ取ってもらえたでしょうか。

20160808小坂地区フィールドワーク_(41)_convert_20160808233934

20160808小坂地区フィールドワーク_(46)_convert_20160808234145

旧宿場町から先に進むと、小坂峠越えの旧道の登り口が見えてきます。

20160808小坂地区フィールドワーク_(65)_convert_20160808234532

江戸時代の元々の道(産坂)と近代に開削された道(慶応新道)がありますが、今回は少し傾斜が楽な後者を選びました。
元気な子どもたちだと15分で駆け登るそうですが、われわれは大人なので(笑)30分かけて休みながら登りました。
とはいっても山道なのでそれなりの傾斜はありますし、けっこう汗だくになってたいへんでしたが…。

20160808小坂地区フィールドワーク_(85)_convert_20160808235052

20160808小坂地区フィールドワーク_(108)_convert_20160808235431

苦労して登っただけに、いつも以上に峠からの眺めは素晴らしいものでした。

20160808小坂地区フィールドワーク_(124)_convert_20160809002428

普段は閉鎖している峠の茶屋をお借りして、皆で少し早い昼食の弁当をいただきました。
一緒に出していただいた、国見町産の桃とプラムの美味しかったことといったら(・ω・)

20160808小坂地区フィールドワーク_(134)_convert_20160809005433

20160808小坂地区フィールドワーク_(138)_convert_20160809005724

20160808小坂地区フィールドワーク_(130)_convert_20160809010029

せっかく峠まで登ったので、宮城県側にある萬蔵稲荷を参拝。

20160808小坂地区フィールドワーク_(148)_convert_20160809011706

市街地に戻り、伊達成宗墓所を見学しに行ったところで、突然の雨に見舞われました。

20160808小坂地区フィールドワーク_(175)_convert_20160809011946

松蔵寺では、ご住職から寺の歴史や自らの戦争体験のお話を聞かせていただきました。

20160808小坂地区フィールドワーク_(183)_convert_20160809012220

その後、4年前の調査で新たに歴史資料の見つかった2軒のお宅を訪問し、あらためて拝見させていただきました。

今後は学生たちの意見などを踏まえつつ、地域の歴史・文化遺産の再評価と魅力の再発見につなげていく調査と成果報告会ができればと思っています。
お世話になった国見町役場の職員の皆様、郷土史研究会の笠松さん、ありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。
今日は恒例のオープンキャンパスでした。
昨今は年に何度も開催する大学も珍しくないのですが、福大は年1回、前期の正規試験も終わった、8月初旬の日曜日に開催されます。
(ただし、今年度から秋にもミニオープンキャンパスがある…という噂も)

昨年度は初めて「古文書学実習」として参加しました。
今年度は行政政策学類のほか、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター(FURE)でも、歴史資料保全支援担当の柳沼特任准教授の発案により、同様の企画を実施することになりました。
さらにCOC事業「ふくしま未来学」のコーナーでも、富岡町との歴史資料保全活動の紹介をお手伝いすることになったため、協力を申し出てくれた15名の学生たちを三手に分けてのフル回転です。

開始は9時50分のはずですが、8時半前に到着した電車からは既に見学の高校生らしき集団が…。
われわれは9時に集合し、行政政策学類大会議室とFUREの両方の準備に着手しました。

20160807オープンキャンパスbg (5)

20160807オープンキャンパスbg (1)

行政棟では、古文書の撮影体験を中心に、関連図書類を展示することにしました。
ノーマルな撮影台と、スライダーによって横帳を一度に撮影する台と2種類を用意しました。

20160807オープンキャンパスbg (15)

20160807オープンキャンパスbg (9)

一方のFUREは、古文書の記録撮影体験とあわせ、クリーニングのための器材や道具を展示しました。

20160807オープンキャンパスbg (8)

20160807オープンキャンパスbg (7)

20160807オープンキャンパスbg (11)

20160807オープンキャンパスbg (2)

学内では各学類のイベントや関係部門の企画が目白押しで、次第に来場客も増えてきました。
どんなことをするかは全くの学生任せです。
見ていると本当に面白いもので、来場者に声をかけ、ビラを配って呼び込みをしたり、辞書を持ち出して古文書を読んでもらったり、興味関心を持ってくれた方をさらにFUREに案内したりと、放っておいても自分たちでいろいろ考えてくれます。

20160807オープンキャンパスbg (10)

20160807オープンキャンパスbg (12)

20160807オープンキャンパスbg (14)

行政政策学類の見学ツアーが始まると、あっという間の人だかりになります。

20160807オープンキャンパスbg (6)

FUREはやや離れた場所にあるため、人の流れを呼び込むのは難しいのですが、それでも見学者が来られると、同様に撮影体験をしてもらうなどしました。

20160807オープンキャンパスbg (3)

COC企画の紹介スペースでは、いろいろな自治体がグッズの配布による宣伝に力を入れていました。
富岡町も「とみっぴー」のグッズが並べられていました。
休日にわざわざお越しいただいた三瓶学芸員さんには恐縮するばかりです。
学生たちとともにグッズ配布と説明をお手伝いさせていただきました。

20160807オープンキャンパスbg (4)

昼過ぎからは学生生活委員の公務(学生相談の対応)で拘束されましたので、様子がわからないところがあるのですが、撮影してもらったスナップ写真を見る限りでは、午後もしっかりやってくれたようです。
本来ならば休日のところ、多くのゼミ生たちに手伝ってもらうことができました。
みんなのおかげです。本当にありがとう。
来場していただいた方々は勿論のこと、口コミでもいいので、われわれ歴史系ゼミと歴史資料保全活動の存在を少しでも認知してもらえるようになることを期待しています。
土曜日に山形県朝日町エコミュージアムの見学実習に行ってきました。
今年で4回目になります。

2013年度 2014年度 2015年度

福島駅西口からバスで約2時間で到着。
昨年度と同様に、まずはNPO法人朝日町エコミュージアム協会理事長の長岡先生の講義を受けました。
質疑応答の時間がけっこうあったのですが、学生たちが積極的にたくさん質問してくれたので、あっという間でした。

20160716朝日町エコミュージアムbg (1)

コアセンターのあるフロアには、民具が展示してありました。
廃校の校舎に保管されていた未整理の民具を活用しようということで始まったそうです。
われわれも夏に会津で民具整理をやることにしていますが、どこも同じような事情を抱えているんですね…。

20160716朝日町エコミュージアムbg (2)

さて、今年の昼食は初めてasahi自然観でいただきました。
これまた初めての、ダチョウのたたきのついた定食でした。

20160716朝日町エコミュージアムbg (3)

20160716朝日町エコミュージアムbg (4)

午後の見学は、近くの空気神社からスタート。
去年はなかった?のぼりが出迎えてくれて、参道もきれいになっていました。

20160716朝日町エコミュージアムbg (5)

20160716朝日町エコミュージアムbg (6)

いつも通り?長岡先生に参拝のやり方を教わって一緒にやったのち、自分の姿を本殿に映しながら記念撮影。

20160716朝日町エコミュージアムbg (7)

20160716朝日町エコミュージアムbg (8)

20160716朝日町エコミュージアムbg (9)

今年度は建造物を中心に見学するサテライトをセレクト。
初めての若宮寺では、立派な彫刻の施された鐘楼を見学しました。

20160716朝日町エコミュージアムbg (10)

20160716朝日町エコミュージアムbg (11)

20160716朝日町エコミュージアムbg (12)

旧三中分校は、今年は外からだけの見学。

20160716朝日町エコミュージアムbg (13)

新宿(あらじゅく)地区の養蚕住宅や旧警備所を歩いて見学したのち、最近始まった、古民家を活用しての昔話語りを体験しました。

20160716朝日町エコミュージアムbg (14)

20160716朝日町エコミュージアムbg (15)

学生たちにとっては、本でしか読んだことのなかったエコミュージアムの現場に実際に訪れてみたことで、得られたものも種々あったのではないかと思います。
学生たちがいい質問をいくつもしてくれたおかげで、理事長さんから思いがけず多くの有益なお話をうかがうこともできました。

時の経過とともに、エコミュージアムをめぐる状況も変わりつつあるようです。
いずこも「活用」の名のもとに、観光資源化の波は押し寄せてきています。
それでもうまく変化を乗り越えながら継続してこられた理由の一つは、地域の歴史・文化・自然遺産を自分たちで発見し、調べ、大切にし、継承したいという信念に何ら変わりがないこと、そして膨大な研究成果の蓄積を行政側もきちんと受け止め、評価していることにあると受け止めました。
それこそが、住民の主体性と行政の支援がバランスよく機能しなければ長続きしない、という言葉につながってくるのでしょう。

どこの地域でもこんな活動が盛んであったら、歴史資料保全活動もどんなにうまくいくことだろう…と羨ましく思いつつ、たくさんの刺激と勇気をいただいて帰路につきました。

20160716朝日町エコミュージアムbg (17)
福島県文化財センター白河館(愛称「まほろん」)では、7月3日(日)まで、ふくしま復興展「震災遺産と文化財」が好評開催中です。
授業前の合間をぬって、ようやく見に行くことができました。
(以下、撮影した写真はまほろん関係者の許可を得たものです)

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (1)

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (6)

昨年度は郡山福島大学で展示させていただき、福島県博や富岡町でも拝見させていただいた、おなじみの震災遺産の数々が展示されていました。

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (3)

そんな中でも、まほろんを会場とするだけに、「まほろん」にふさわしい創意工夫にあふれた展示となっています。
展示に込められた意図を理解するには、やはり実際に会場に足を運ばないことにはわかりません。
会期は残すところあと1週間ほどになりましたが、まだという方はぜひご覧になってください。

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (5)

通常展示の最後の「みんなの研究ひろば」のコーナーでは、まほろんの学芸員さんたちが近年力を入れている、伝承が危ぶまれている伝統技術の復元の試み(被災地である南相馬市小高区の箕)が紹介されています。

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (2)

20160624震災遺産と文化財@まほろんblog (4)

失われる技術を復元する資料として活用できるためにどのような映像を残したらよいのか、その映像を手がかりにどうやって技術から民具そのものまで復元できるかという、壮大な試みです。
担当者のお二人にお話をうかがうことができましたが、伝統技術の保全と継承という、重要でありながら見過ごされてきた点を掘り下げた、かなり面白い取り組みです。
これこそまさに、文化財センターの真骨頂といっても誉めすぎではないと思います。

いろいろな文化財関係者が、それぞれの専門や関心に即して、自分たちのできるところから、ふくしまの歴史・文化遺産の保全と継承にとりくんでいます。
気の遠くなるような作業の連続で、いくら片付けても終わりは一向に見えない活動でもあります。
被災地で歴史学に携わる者としての使命感と覚悟だけでは、なかなか続けられるものではありません。
そんな中、豊かなアイデアを一つ一つ実現させながら、明るく前向きに取りくんでいる仲間たちの姿に接して、またがんばろうという気持ちを新たにしました。

そんな私は日々、古文書学実習を履修する3年生たち、熱心に後輩を指導する4年生たち、そして市民ボランティアの皆さんに支えられながら、徳竹先生とともに被災歴史資料の記録整理を続けることができています。
9月にまほろんにて、そうした経験と技術を少しでも多くの人たちに伝えられるよう、被災歴史資料の記録に関する文化財研修をお手伝いすることになりました。
詳細は後日、ふくしま史料ネットでもご案内いたします。
少しでも多くの皆様のご参加をお待ちしています。